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飛ぶ子象凄く道路張り出し中 [読書:小説]


豆腐小僧双六道中ふりだし

豆腐小僧双六道中ふりだし

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/12/20
  • メディア: 単行本


「豆腐小僧双六道中ふりだし」
京極夏彦

あんな酷い話では小説として設立しないので、映画を見た後に試しに原作の方も読んでみました。最近、この作者の本をよく読んでいます。

オカルト完全否定の作者が考えた(江戸時代の)妖怪の在り方話で、その徹底した否定ぶりは最近テレビでお見かけしない大槻教授の域に達していると思ったら、作中、プラズマの説明で教授の名前が出てきました。水の結晶は水晶ではなく氷です。
一人称のような地の文が、こちらに話しかける口調となっていて、作者の考え方を話しているのに特に作者本人だとは語られない部分はよろしいのですが、ちょっと妖怪以外のことを熱く語られる部分になると、それはエッセイか何かでやってよを感じました。
その地の文と半々ぐらいのウエイトとなる妖怪話は、どうしても豆腐小僧の声をアニメの豆富小僧の声で脳内再生してしまい、それで映画比2倍くらいは豆ふ小僧が「馬鹿」「馬鹿」と周りに言われ続けるので、深田恭子が可愛そうになってきました。
現実の出来事とは別に語られている妖怪たちが、クライマックスでそれを超える部分は(個人的にダンシモンズの「イリアム」ラストを思い出したほど)格好良くて燃えました。


以下、映画化作への悪口になりますが、豆ふ小僧と達磨は当然として、袖引き小僧や、八百八狸に化け猫、見上げ入道にろくろ首等々、映画に出てきた妖怪が多数出ていて、なるほどあの映画の原作と思わせられるところがあるものの、逆にこの小説を解体して再構成して、その結果として残ったのが、あんな残りカスなのか…とも思わせられます。
特典ディスクに収録されていたアニメ制作の会議風景では、母親との再会とかなんとか原作の1設定に拘っていて(それらの話を聞いていて、これは昭和50年代に行われた会議だろうかと思ったほど)、多分、誰も原作は読まないで、それを映画用に設定資料化されたものを眺めただけなんじゃないだろうかと勝手な予想。映画は主演の2人が良かっただけに残念なのです。


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序破急 [読書:小説]


虚実妖怪百物語 序 (怪BOOKS)

虚実妖怪百物語 序 (怪BOOKS)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/10/22
  • メディア: 単行本


「虚実妖怪百物語」序・破・急
京極夏彦

全3冊。入院中、電子書籍でまとめて読みました。「紙の本」(と呼ぶのもどうかと思いますが)だったら重くて読めなかったかも。

今作が連載されていた雑誌の「怪」は、創刊号のころから読んでいましたが、途中で執筆陣による水木しげるの褒め殺しに近い原理主義的なものまで感じる全肯定ぶり(ファンが集まって作っているんだから仕方がないのだろうけど)と、やはり一部の執筆陣による内輪ネタの多さに、常連客しかいない店へ間違えて入ってしまったような居心地の悪さが鼻についてきて読むのを(買うのを)止めてしまい、今作が連載されていたころは全く読んでおらず、また、今作の作者の小説も、始めのころは読んでいましたが、やはり上記と似たような、ファンの方々による作者の異様な神格化に近い持ち上げ方が嫌になって離れていました。
作者本人には全く関係のないことなので申し訳ないとは思うものの、本当に当時のファンの熱狂ぶりというか狂信ぶりは凄まじく、確かに私も作者の小説は楽しんで読んでいたものの、そういったものとは違い、もはや書かれている内容を超えて、作者の文章を読むと“稀有な”神秘的体験ができるとの、作者自身が否定しているオカルトの域にまで達していたファンの方もおられました。
それでも自身のブログやサイト(当時の個人活動はサイトが主流だったかと)、もしくは作者のファンが集まった場にいる間は構わなかったのですが、やがて、まずは推理小説全体のサイトに浸食してきて、「日本語で書かれた至高の推理小説」的な賛美を書きこんで、他の同時期にデビューした作家を貶し(確かに同時期デビューの「新本格推理」小説家には酷いのが多かったけど)、その聞く耳の持たなさとと自分感想の押し付けぶりが嫌になって参加していた推理小説ファンの集いのようなところから抜け、同時期、関係ありませんが、清水崇のファンによる彼の狂信的なファンがネットに出没し、いわく清水崇映画は邦画ホラーの最高峰であり、もう「呪怨」の怖さが分からないやつは、ジェイソンが出てきてビックリの洋画ホラーだけ見ていろとまで言い放つ狂人も出てきたので、邦画ホラーファンの集いのようなところも抜けました。ジャンルを潰すのは熱狂的なファンだと思います。
ついでなので、京極ファンが活動していた時期の話をもう少し書くと、そのうち小説に関係なく妖怪ネタを話しているところへもファンが押し寄せてきて、こっちは「インドネシアの妖怪首だけ女が飛んできたら見た目だけでビビるよねー」とか「妖怪ハンターでヒルコの見た目がプリッツェル風から蜘蛛か未来人類風になったのは何故なのかねー」とか、我々が平和に(?)映画の話をしているところへ、「妖怪は“見る”ものではありません。現象なのですから“在る”ものです」などと、「怪」の誰かの文章から借りてきたような言葉で難癖をつけてくる人がいて、私のような妖怪の学術的な起源とかフィールドワークとかには興味がなく、ただ妖怪作品を楽しんで見ている身としては、大層、居心地の悪い思いをさせられました。
その後も誰かが作品上の妖怪の話をしているのに、現実の話で論破しようとしてくる自称拝み屋希望の人たちが次から次へと湧いて出てきて(得意技、他人の意見は一切聞かずに、京極作品に出てくる台詞を使って否定し続けてくる)、議論どころか説明すら嫌いな私なんかは地下に潜って黙ることを強いられていました。当時一部で話題となった、映画「エクソシスト」=集団ヒステリーくん(注)が出てきたのも、このころだったかと存じます。
※注:どこかの掲示板サイトへ、映画「エクソシスト」について質問があると現れ、個々の質問に対して「あれは悪魔のバズズがリンダブレアに・・・」と内容を親切に教えてくれる人に対し、「悪魔が現実に存在していると思っている人がいるなんて驚きです」「あれはどう見ても集団ヒステリーでしょう」と馬鹿扱いしてくる、私から見れば違う意味で現実と虚構の区別が付いていない人でした。
そしてそのせいで、それまでは幼いころから水木しげる等の妖怪ものを読んでいれば、妖怪関係の出版物が目に入れば金の許す限り買っていたのに、「怪」周りの人たちの活躍のおかげで妖怪の出版物がグンと増えたことと、上記、ファンの狂信的な騒ぎにより、そのころの妖怪関係の作品にはほとんど触れずに過ごしていて、騒ぎが落ち着いた今になって読もうとしてみたら、熱しやすく冷めやすい層に支えられていたのか、「怪」関係でも当時の多くの妖怪関係出版物が絶版に近い扱いとなっていて読むことができません。クドいですが、特定のジャンルの敵は熱狂的なファンです。

やっと今作の話をすると、今作は竹本健治の「ウロボロスの~」のように実在の人物が…というか、「ウロボロス~」も3作目はファンが書いた京極先生天才的な同人誌のような内容で、お前もか…と、その後の竹本の小説は読んでいません。当時は竹本に限らずギョウカイジンにも自称京極ファンが多く、別に誰の何のファンでもいいんですが、「京極は天才」とそこで思考停止している方が大勢おり、それを雑誌などに書きたてるわけで、そんな想いは自分の心の奥底(だけ)で温めていてくれいと、うんざりさせられたものです。

そして今度こそ今作の話に戻すと、今作は「ウロボロス~」のように実在人物が多数登場してくるので、やはり内輪ネタがきつく感じる部分は馴染めず、それに加えて何せ私は「怪」を読んでいないので、「怪」関係の人が出てきても誰なのか分からない(一応、文面で説明されますが)うえに、元々、小説でも映画でも作品はともかく、その作者や監督や役者の人となりには毛一筋ほどの興味もないことから、読んでいて辛い部分もありましたが、それでも知っている人、例えば西村真琴が出てくれば、本人の(演:西村晃の)姿と声で文章が脳内再生されるわけで、まあ、これは書かれている実在人物を知っているか・知らないかの違いでしょうのー。だいたい掲載紙が「怪」だったのだから、連載時に読んでいた人は登場人物のことを知っていただろうし。
その内輪ネタというか本人ネタでも、一か所、すごく気に入った場面があり楽しかったです。ただ、同本人ネタで、本人がそんなに生きたがっていない描写が何度かあり、なにせ連載時期が時期だっただけに少し心配になりました。でも、それこそファンによる現実と虚構の区別が付いていない余計な感想でしょう。


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去年減少 [読書:小説]


虚言少年 文庫版 (集英社文庫)

虚言少年 文庫版 (集英社文庫)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/09/19
  • メディア: 文庫


「虚言少年」
京極夏彦

昭和後記の子供たちの話で、私も昭和後記には子供でしたが、私より上の世代の話のようでした。作者の生年月日を調べたら私よりも上の方でしたので、自伝的な面もあるんじゃないかと少し思ったり。
題名のとおり、自称でも他称でも「嘘吐き」な男の子が主人公だけど、特に虚言癖や悪意があるわけではなく、なんとなくその場を陰から消極的に適当な言葉で回そうとする子に思えました。
同作者のコメディは、「どすこい」も「南極」もパステーシュ的で好みではなかったけれど、今作は1話目のオチから笑え、最終話の7話目のとある一言には、ちょっと入院中に震えるほど笑えてきて、縫った手術痕が開くんじゃないかと思ったほどです。
後からその一言の部分を読むだけで笑えてしまい、それからは思い出すだけでも笑ってしまう、楽しい台詞でございました。オナラネタは鉄板ですのー。

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千日の本 [読書:小説]


ふたりのプリンセス (児童単行本)

ふたりのプリンセス (児童単行本)

  • 作者: シャノン ヘイル
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/05/12
  • メディア: 単行本


「ふたりのプリンセス」(BOOK OF A THOUSAND DAYS)
シャノンヘイル

本物の姫と、その姫に自分のフリをするよう言いつけられた侍女の話なので、邦題のとおり姫が2人なのかどうかは微妙なところでしたが、結果的には問題なしでした。
その姫が許嫁との結婚を拒んだことで、7年間ほど塔に幽閉されることとなり、その場にたまたま居合わせた新しい侍女予定の主人公も一緒に幽閉されることになってしまうのでしたーな内容で、前半はそんな姫との幽閉生活、後半は塔から抜け出してからの話になっていました。
姫が泣いてばかりの役立たずで、以前、婚約相手の残虐な王様が自分の前で全裸になって何かをしたことに怯え続けていて(露出狂的なものではない)、その王様に殺されるーと泣くだけで話が通じず、親に内緒の恋愛相手だった別国の優しい王子様が助けに来ても、何故か王子にも殺されるーと怯えて(結局、その理由は不明)何もせず、何もしないのはまあ上げ膳据え膳で暮らしていたお姫様だからかのーと思うものの、自分からは何も説明しない、そしてそのことに何の意味もなかった部分にはイライラさせられ、生き延びるためにはまず食料の備蓄的なところも考慮して幽閉2日目ぐらいに姫を亡き者にしてしまい、あとは7年掛けてゆっくりと塔から抜け出す計画を・・・と考えてしまった、童話心など微塵もない私です。
童話よりは現実的な幽閉生活となっていて、7年分の食料の備蓄はネズミの被害に遭ったり腐ってきたりで、結局7年もの幽閉は無理だったと分かるものの、数年後に抜け出してからは、筋力の衰えもなく普通に徒歩で長距離移動していたので、よほど広い塔内だったのか、それともアスレチッククラブ完備で・・・と現実的ではないことを思わされたりもしました。

「プリンセスアカデミー」に続き、またもや主人公の一族は歌による秘儀を使えるとの設定でしたが、今回はそれが初めに紹介されるのと、そちらの話よりも童話的な上記設定のおかげで違和感はなかったです。でも更に童話的な別設定が途中から出てきます。
いろいろあってラストバトルは、見晴らしの良い屋外にて、残虐で全裸な王様とその軍勢に、主人公の女の子が単身全裸で挑むスペクタクルネックドな場面になっており、イメージ映像で良いから実写化を強く希望します。(年齢制限的に無理じゃろうか・・・)
そんなこんなで個人的に同作者の「プリンセス~」より楽しめましたが、前回同様、王族に対する考え方が少し軽いというか、あえて身分関係について無視している部分が気になりました。作者の思想的なものかのー。・・・あっ、検索したら、この人、カル(以下、政治的に略)

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レジュメ [読書:小説]


呪・アニメ-アニメ・スタジオの怪談- (ミューノベル)

呪・アニメ-アニメ・スタジオの怪談- (ミューノベル)

  • 作者: 武上 純希
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
  • 発売日: 2016/12/18
  • メディア: 新書


「呪・アニメ-アニメ・スタジオの怪談-」
武上純希

好きな漫画家さんである伊藤潤二のイラストに惹かれて(無料の電子書籍で)読んでみました。
イラストは表紙を含めても3枚だけでした。紙の書籍だったら違うんじゃろうか・・・

人が死ぬ怪異現象が起こり、その怪異現象の原因を探って犯人(?)を突き止め、でもその犯人には過去から連なる怨念があり、さらにその怨念を時間期限ありで解決しなければならず・・・と、「リング」と同じような流れで進む話でした。
ホラー小説としては、怪異が証明されすぎて少し馬鹿馬鹿しく感じて読み飛ばした部分もありますが、そこを突き抜けてアニメ業界の内輪話が面白く、よく劣悪な環境で薄給の中・・・と紹介される業界の(当時の)具体的な金目の話から、伝説保持者の逸話までいろいろと紹介されて、小説内で書かれているそれらよりも、その単語説明として具体的に書かれている巻末の索引が、そこだけを目当てに買おうかと思ったぐらい面白かったです。
本編の方も、駄洒落のようなアニメ=アニマ説や、米のデスニーによる手塚への呪いを凡百な萌えアニメで呪い返しを行ったと思えないこともない呪術話まで、後から考えると面白かったんじゃないかとも思わされる、索引で印象が変わった本でした。それにしてもイラスト枚数の寂しさよ。

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王女学園 [読書:小説]


プリンセス・アカデミー

プリンセス・アカデミー

  • 作者: シャノン ヘイル
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/06/25
  • メディア: ハードカバー


「プリンセス・アカデミー」(PRINCESS ACADEMY)
シャノンヘイル

王宮の占い師が「王子の結婚相手は北の鉱山村アルム(仮名)におるがだよー」と託宣し、それならばと、その村にいる女の子全員を村から離れた土地に建てられた校舎へ拉致監禁。主人公ハイジ(仮名)を含めた村の女の子たちは、ロッテンマイヤー(仮名)さんにより王女に相応しいとされるまでのスパルタ教育を受けながら、来るべく王子が結婚相手を選ぶ武道・・・舞踏会に臨むのでしたーとの、書き出してみると読んでいる間は気にならなかったのが不思議なぐらい異常な設定ですが、やがて、毎回、肝心なところで具合が悪くなる、都会からきた余所者の御学友クララ(仮名)の病名が分かると同時に、つまりは全てがそういうことだったのか!と判明する、終盤のミステリっぽい展開は面白かったです。
反面、ハイジ(仮名)とペータ(仮名)とオンジ(仮名)は、村に伝わる謎の技を使って遠距離通話が出来るのでしたーと、嫌なテレビアニメのような謎の超能力設定が加えられてしまうのは残念。特殊な設定を重ねて使われると、物語じゃなくて設定を語りたいのかいと思ってしまい苦手ですのー。
その技を使って、学園に乗り込んできた山賊どもと、炭鉱道具を手にしたオンジ軍団とのバトル場面もありましたが、私はそれよりもアカデミーでの勉学の様子をもっと読みたかったんだがのーというのが正直な感想です。
ハルジ(仮名)の「なんでオナゴは鉱山に入れないんだすー」との朝のテレビ小説なような悩みが、理由だけは分かるものの特に解決せずに流され、肝心の結婚相手選抜舞踏会は、少しも王族らしい描写のないただの良いとこの坊ちゃん風な王子が出てきただけで流れ(結局、結婚相手は選別されず本当に流される)、アカデミーで受けた勉強も、習った商業的知識を利用して村の産業に貢献できただすよーだけで物語全体が終わってしまうため、なかなか不完全燃焼な話でございました。
本国ではシリーズ化されていて現在3作目まで出されている様子。でも、2作目以降は邦訳されておらず、それこそ映画化でもしなければ日本での続刊は望めない感じ。ただ1作目で今回のアカデミーは閉園されたので、2・3作目は別の学園が舞台となって別の生徒が出てくる別の話なのかもしれません。(調べはしない)
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 [読書:小説]


嘘 (幻冬舎文庫)

嘘 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 明野 照葉
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/10/07
  • メディア: 文庫


「嘘」
明野照葉

先の予想はしない(できない)私でも、今作の謎である姉の豹変の理由について、かなり初めの方でもしかしたら・・・と思ってしまい、そしてその想像のままの真相となるのに、それに少しも納得できない怪作でございました。それだったら逆に許せませんがのー、
さらにオマケのように付けられたというか、出だしで分かってしまうオチが、姉妹ど(おい)・・・で、気持ち悪く感じられて読後の印象は最悪でした。
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みんな更年期 [読書:小説]


みんな邪魔 (幻冬舎文庫)

みんな邪魔 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 真梨 幸子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/12/06
  • メディア: 文庫


「更年期少女」(文庫版「みんな邪魔」)
真梨幸子

とある過去に打切られた少女漫画を愛する人たちが集ったネットサークルでのお話。
中世の貴族もののような設定らしいその少女漫画ですが、連載時には大人気があったものの、途中から少し絵柄が代わり、それからとんでもない最終回を迎え、でも、その最終回を読めるのは連載雑誌のみ、単行本化の際には無難な最終回に差し替えられて、さらにその単行本も再販されず、掲載雑誌ともどもプレミア価格で取引され、それでも滅多にオークションに出されないなどなど、ただでさえマニアが熱狂しそうな状況下、何せ過去の作品なため、少しお歳のいった方たちが妄執レベルで恋焦がれて二次創作に励んでいるとの、凄まじい設定の(小説内)漫画でした。
サークル内には女同士の嫉妬が絡めば、家庭に問題のある人がほとんどで、よからぬことを考えている人もいる、OLじゃないけど社内で派閥争いをしているOL軍団のような醜さの中、やがて次々と人が死んでいくやつでした。
個別の突発的な殺人事件の連続かと思いきや・・・の部分が丁寧なら、殺人の真相と一緒に過去のその少女漫画の真相も分かって行く、謎解き部分がしっかりとしていて面白かったです。
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死傷者分類 [読書:小説]


狙われた女 (扶桑社ミステリー)

狙われた女 (扶桑社ミステリー)

  • 作者: ジャック・ケッチャム
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2014/07/01
  • メディア: 文庫


「狙われた女」(TRIAGE)

女性が仕事をしていると、名指しで「お前をやってやる」と電話がかかってくる。その直後、職場に押し入ってきた男性が銃をブッ放し・・・との出だしで始まる3本の中・短編集。

「シープメドウ・ストーリー」(SHEEP MEADOW STORY)
ジャックケッチャム

上記の出だしのあとは、日常への鬱積を描いた場面が延々と続き、とうとう何もかも失った主人公が、「フォーリング・ダウン」のように殺戮を始めるような流れでした。
まさかそこからあんな終わり方になるとは・・・と、洒落た一編になっていて楽しかったです。


「狙われた女」(I'M GONNA GET YOU)
リチャードレイモン

日本版でのみ表題作となっている今編は、上記の出だしから延々と続く、女性と男性との攻防戦となる話で、あいかわらず映像的なアクション場面と、たがを失った血肉や臓物場面が続く、いつものレイモンで安心して読める1編でした。今冊の3編の中では1番好きです。


「われらが神の年2202年」(IN THE YEAR OF OUR LORD: 2202,)
エドワードリー

名前を存じ上げない作者だと思ったら(同姓同名の「ジャズ入門」が彼の作品ではない限り)初めての邦訳となる作者のようでしたが、何故か「狙われた女」とほとんど同じ上記の出だしのあとは、カトリックにより統一された未来社会で、テロリストに当たる邪教集団との戦いを描いた話で、いろいろパロディや言葉遊びが散りばめられているようでしたが、本当に詰まらなくて、そのエロ寄りの描写の多さと馬鹿馬鹿しさにエロアニメかと思わせられた1篇。そしてこれが3編中1番長いんですよ。読むのが苦痛でした。
あと、(今作に限ってはパロディ的な扱いかもですが)あちらの悪魔をネタにした話でよくあるけれど、神様側も悪魔側も処女に拘り過ぎだと思います。


日本版は題名以外に掲載順も違いがあり、本国では「狙われた~」・「われ~」・「シープメドウ~」の順で、順番を変えたことについて日本版の後書きで理由を書いていましたが、どう考えても本国版の順序の方が正しく、本国版だと共通の出だしの扱い方が、正しいものから卑怯なものに変わっていくのに、日本版ではいきなり卑怯な使われ方をしてしまって統一感が初めからなくなってしまう気がします。
更に本国版の順番だと爽やかに読み終えることが出来るので、ここはやはり本国版の順番の方が良かったかと。

ケッチャムに比べて、なかなか邦訳が出ないと思っていたレイモンは10年以上も前に(2001年に)お亡くなりになっていました。
それでも未訳の作品は残っているので訳していただきたいのー。あと、翻訳済みの作品ものきなみ入手困難(レベル1)になっているから、電子書籍でいいので再販してほしいものです。
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灯火 [読書:小説]


凍花 (双葉文庫)

凍花 (双葉文庫)

  • 作者: 斉木 香津
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2013/02/14
  • メディア: 文庫


「凍花」
斉木香津

表紙の眼が怖い今作は、美人三姉妹の長女が次女を撲殺してしまい、本人は殺害したこと以外を黙秘している中、残された三女が動機を探ろうとする話でした。
優しく美人な長女、気が強く美人な次女、甘えん坊で美人な三女と、もう1人病弱なのもいると若草物語ですが、いなくても創作物ではよくある設定となっているので、アニメとか漫画臭さを感じましたが、三姉妹はともかく2人姉妹なら、知り合いでもそんな設定・・・じゃなくて、性格の姉妹をよく見かけるのが不思議なところです。
そして、姉に何があったのか分かりかけてくる後半は、確かに実際に普通の学校に、アニメの清楚なお嬢様キャラのような子がいたら、そりゃー周りから浮くわなーと思わせられながら読みました。

軽くて読みやすく、読んでいるうちは面白かったのですが、読み終わるころには少し、作者が意図しているのかいないのか、長女の異常さは説明され、母親と次女も少し異常だと分かるものの、実は最も異常なのは、一人称の文章では可愛い性格なのに、それと同じ出来事が他の人から三人称で描写されると、意地汚くて性悪にしか感じられない三女に、最も精神の歪みを感じさせられる部分が出てきて怖かったです。
ただそれは、近所の小母さんズに長女の出所前に引っ越しを進められる描写が1度あるぐらいで済んでいる優しい世界でしたので、もしかしたら作者はそうとは思わずにただの記憶の齟齬として書いたとものかとも思われ、そこがなんともモヤモヤするところでありました。
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